相続手続きは、期限が決まっているものが多く、何から取り掛かればよいかわからず不安になる方も少なくありません。
この記事では、ご家族が亡くなってから相続手続きが完了するまでの流れを、時系列でわかりやすくまとめました。
死亡当日〜7日以内に行うこと
死亡届の提出(7日以内)
- 市区町村役場に提出
- 医師の死亡診断書が必要
- 同時に火葬許可の申請も行う
葬儀社が手続きのサポートをしてくれることが多いですが、提出期限が決まっているため早めの対応が必要です。
1週間〜1ヶ月:相続人と財産の調査
相続人の確定
- 被相続人の「出生から死亡までのすべての戸籍」の収集
- 相続人全員の戸籍を確認し、法定相続人を確定
財産の調査
- 預貯金、不動産、保険、証券、負債など
- 不動産は登記事項証明書、預金は残高証明書等を取得
相続手続きの基礎となる重要工程。
ここが正確でないと、後の遺産分割協議が無効になる可能性もあります。
死亡から3ヶ月以内:相続放棄・限定承認の判断
借金の可能性がある場合は、3ヶ月以内に「相続放棄」または「限定承認」を家庭裁判所で行う必要があります。
相続放棄とは
財産も負債も一切相続しない制度。
限定承認とは
プラスの財産の範囲内で負債を返済する仕組み。
この期限を過ぎると“単純承認”したものとみなされ、借金も引き継ぐことになります。
死亡から4ヶ月以内:準確定申告
被相続人が個人事業を営んでいた場合や不動産所得がある場合などは、4ヶ月以内に準確定申告が必要となります。
1〜6ヶ月:遺産分割協議と協議書の作成
相続人全員で遺産の分け方を話し合う
- 全員の合意が必要
- まとまったら「遺産分割協議書」を作成
- 実印・印鑑証明書が必要
特に不動産や預貯金の名義変更で必ず必要となる書類です。
死亡から10ヶ月以内:相続税申告・納付
相続税の対象となる場合は、10ヶ月以内に申告と納付が必要です。
相続税が必要なケース
- 基礎控除:「3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数」
- 財産総額がこれを超えると申告が必要
完了まで:名義変更などの実務手続き
不動産の相続登記
- 司法書士に委任すること可
- 2024年から相続登記の義務化がスタート
預貯金の払い戻し
- 金融機関ごとに必要書類が異なる
- 遺産分割協議書+戸籍一式が基本
保険金請求
- 保険会社への請求期限に注意(通常3年)
まとめ:相続手続きは「期限」と「順序」が重要
相続は、やるべきことが多く複雑に感じられますが、時系列に沿って一つずつ進めれば確実に完了できます。
特に戸籍収集や財産調査は時間がかかるため、早めに着手するのがおすすめです。
相続手続きは専門家に相談することでスムーズに進みます。
相続は、戸籍の収集や財産調査、遺産分割協議書の作成など、専門的で時間のかかる手続きが多く、初めて経験される方にとって大きな負担になることが少なくありません。
当事務所では、
- 相続人調査(戸籍収集)
- 財産調査(預貯金・不動産などの確認)
- 遺産分割協議書の作成
- 預貯金解約など各種手続きのサポート
といった相続に関わる手続きを、丁寧にサポートしています。
「何から始めればいいかわからない」
「必要書類が多くて手が止まってしまっている」
という方も、どうぞお気軽にご相談ください。

