風俗営業許可を申請するときには、許可申請書だけでなく、「営業の方法を記載した書類」も提出します。
この書類には、営業時間や飲食物・酒類の提供方法、接待の内容、料金の表示方法、遊興の内容など、実際にどのような営業を行うのかを記載します。
特にキャバクラやスナックなどの1号営業では、**「どのような接待をするのか」**を記載する項目があるため、店舗の実際の営業内容を整理したうえで作成することが重要です。
この記事では、東京都で風俗営業許可を申請する場合の「営業の方法を記載した書類」について、分かりやすく解説します。
「営業の方法を記載した書類」とは?
「営業の方法を記載した書類」は、風俗営業許可の申請時に提出する書類の一つです。
東京都の風俗営業許可申請では、警視庁が公開している「別記様式第2号」を使用します。
風俗営業許可の申請では、主に次のような書類を準備します。
- 許可申請書
- 営業の方法を記載した書類
- 営業所の使用権原を証明する書類
- 営業所の平面図
- 営業所の周囲の略図
- 申請者に関する書類
- 管理者に関する書類
つまり、「営業の方法を記載した書類」は、風俗営業許可申請における重要な添付書類の一つです。
どのような内容を記載するの?
営業の方法を記載した書類には、営業の実態に関するさまざまな事項を記載します。
たとえば、1号営業の場合には、次のような内容があります。
営業時間
店舗を何時から何時まで営業するのかを記載します。
開業後の実際の営業時間と申請内容が異ならないよう、営業計画を整理しておくことが大切です。
18歳未満の従業者を使用するか
18歳未満の者を従業者として使用するかどうかを記載します。
使用する場合には、その者がどのような業務に従事するのかについても記載します。
18歳未満の者の立入禁止の表示方法
該当する営業では、18歳未満の者の立入禁止に関する表示方法についても記載します。
実際の店舗でどのように表示するのかを、申請内容と合わせて整理しておきます。
飲食物の提供方法
酒類以外の飲食物について、
- どのような飲食物を提供するのか
- どのような方法で提供するのか
などを記載します。
たとえば、料理や乾きもの、菓子などを客の注文に応じてテーブルやカウンターへ提供するといった内容です。
酒類の提供方法
酒類についても、提供する種類や提供方法などを記載します。
また、20歳未満の者への酒類提供を防止する方法についても記載する欄があります。
このように、単に「お酒を提供する」と記載するだけではなく、実際の提供方法や年齢確認などについて整理しておく必要があります。
キャバクラ・スナックで特に重要なのが「接待」の記載
1号営業では、「客の接待をする場合はその内容」という項目があります。
ここには、どのような接待を行うのかを具体的に記載します。
たとえば、警視庁の現在の記載例では、
- 特定少数の客の近くで談笑の相手となる
- 客の求めに応じて飲食物を提供する
- 特定少数の客にショーを見せる、聴かせる
- 客に歌うことを勧めたり、手拍子や拍手をしたりする
- 客と一緒に歌う
- 客と一緒に踊る
などの例が示されています。
ここで重要なのは、「接待をする」とだけ書いて終わりにするのではなく、どのような方法で接待を行うのかを具体的に整理することです。
店舗で実際に予定している接客内容を確認しながら、営業の方法を記載します。
「遊興」をさせる営業の場合も記載が必要
1号営業の場合、「客に遊興をさせる場合はその内容及び時間帯」という項目もあります。
たとえば、
- カラオケ
- ダンス
- ショー
- 生演奏
- ゲーム
など、どのような遊興を行うのかを整理します。
カラオケを利用する場合でも、単に「カラオケあり」とするのではなく、どのように利用させるのかを具体的に整理することが重要です。
営業の方法を記載した書類では、遊興の種類だけではなく、その方法や時間帯についても記載することになっています。
料金についても記載する
1号営業では、料金や料金の表示方法についても記載します。
たとえば、
- 料金をどのように設定しているか
- 店内のどこに料金を表示するのか
- 客にどのように料金を提示するのか
といった点を整理します。
料金については、実際の店舗で行う料金表示と申請内容に食い違いがないようにすることが大切です。
「料金表は作っているけれど、どこに表示するか決めていない」といった状態では、申請前に営業方法を整理しておく必要があります。
「営業の方法」は店舗の実態と合わせることが大切
営業の方法を記載した書類を作成するときに重要なのが、申請書類の内容と実際の営業方法を一致させることです。
たとえば、
「申請時にはカウンター越しの営業として説明していたが、開業後は従業者が客の隣に座って接客する」
「申請時には予定していなかったショーや遊興を新たに行う」
「営業時間を変更する」
といった場合には、営業方法や店舗の構造・設備などへの影響を含めて、事前に確認したほうがよい場合があります。
特に風俗営業では、営業方法だけでなく、店舗の構造・設備も許可との関係で重要になります。
そのため、開業後に営業方法を変更するときは、単に「店のサービスを少し変える」という感覚ではなく、風営法上の手続きが必要になるかを確認することが大切です。
内装工事との関係にも注意
「営業の方法を記載した書類」は、店舗の内装や設備とも無関係ではありません。
たとえば、営業方法の変更に伴って、
- 客室の位置を変更する
- 客室を増やす
- 壁や仕切りを設置する
- 店舗の構造を変更する
といった工事を行う場合には、構造・設備の変更について公安委員会の承認が必要となるケースがあります。
東京都の場合、客室の位置・数・床面積の変更や、壁・ふすまなど営業所内部を仕切る設備の変更などは、変更承認申請の対象となる場合があります。
そのため、内装工事を行う場合は、工事業者だけで判断せず、風俗営業許可との関係を事前に確認しておくことをおすすめします。
「とりあえず書いておけばいい」という書類ではありません
営業の方法を記載した書類は、単なる形式的な添付書類ではありません。
この書類を作成するためには、
「どんな店なのか」
「何時まで営業するのか」
「どんな飲食物を出すのか」
「お酒をどのように提供するのか」
「従業者はどのように接客するのか」
「接待はどのような方法で行うのか」
「カラオケやショーなどの遊興を行うのか」
といった営業内容を具体的に整理する必要があります。
逆に考えると、営業の方法を整理することで、開業後にどのような営業をするのかを事前に明確にできるというメリットもあります。
風俗営業許可は「物件・内装・営業方法」をまとめて考える
風俗営業許可では、営業内容だけを考えていればよいわけではありません。
大きく分けると、
営業する場所
用途地域や周辺の保護対象施設などを確認します。
店舗の構造・設備
客室、壁・仕切り、照明、音響設備などについて確認します。
営業方法
接待、飲食物や酒類の提供、営業時間、料金、遊興などを確認します。
この3つをまとめて考えることが重要です。
特に店舗を借りてから「この営業方法では許可が難しい」と分かると、契約後の計画変更につながる可能性があります。
そのため、できれば物件契約や内装工事の前に、営業内容を具体的に整理しておくことをおすすめします。
東京都で風俗営業許可を検討している方へ
風俗営業許可の申請では、申請書を書いて提出するだけではありません。
営業する場所、店舗の構造・設備、営業方法などを確認したうえで、必要な書類を準備する必要があります。
特にキャバクラやスナックなどでは、「どこまで接待を行うのか」「カラオケやショーなどをどのように利用するのか」「営業時間をどうするのか」など、開業前に営業内容を具体的に決めておくことが重要です。
当事務所では、東京都内で風俗営業許可を取得する場合について、営業内容の確認から、物件・店舗の確認、図面や必要書類の準備、許可申請までサポートしています。
「この営業方法で風俗営業許可が必要なのか分からない」
「キャバクラ・スナックとしてどのような営業を予定すればよいのか相談したい」
「物件を契約する前に確認しておきたい」
「内装工事を始める前に風営法上の問題がないか確認したい」
という方は、早めにご相談ください。
まとめ
風俗営業許可の「営業の方法を記載した書類」は、店舗で実際にどのような営業を行うのかを整理するための重要な書類です。
特に1号営業では、接待の内容や遊興の内容、飲食物・酒類の提供方法、営業時間、料金など、さまざまな項目について記載します。
重要なのは、書類を作成することだけではありません。
「物件」「店舗の構造・設備」「営業方法」
この3つを開業前にまとめて確認し、実際に予定している営業と許可申請の内容に食い違いが生じないようにすることが大切です。
東京都でキャバクラ、スナック、その他の風俗営業を開業する場合は、物件契約や内装工事を進める前に、営業内容について一度確認しておくと安心です。
