「遺言書があれば、相続でもめることはない」
そう思われている方は少なくありません。
しかし実際には、遺言書があるにもかかわらず相続トラブルになるケースは、決して珍しくありません。
この記事では、遺言書があっても相続でもめてしまう代表的なケースと、そうならないためのポイントを、解説します。
遺言書があっても安心できない理由
遺言書はとても有効な相続対策ですが、内容や作り方によっては、かえって争いの原因になることもあります。
よくあるのは、
- 書き方が不十分
- 家族への配慮が足りない
- 現在の状況と合っていない
といったケースです。
では、具体的にどのような場合にもめやすいのでしょうか。
ケース① 内容があいまい・分かりにくい遺言書
例えば、
- 「長男に自宅を相続させる」と書いてあるが、どの不動産か特定できない
- 財産の分け方が曖昧で解釈が分かれる
このような遺言書は、相続人同士で意見が分かれやすく、トラブルの原因になります。
遺言書は、誰が見ても同じ意味に理解できる内容であることが重要です。
ケース② 特定の相続人に偏った内容になっている
- 一人の子にほとんどの財産を相続させている
- 他の相続人への配慮が全くない
このような場合、遺言書があっても不満が生じやすくなります。
特に、遺留分(一定の相続人に保障された最低限の取り分)を無視した内容の場合、後から請求を受け、争いに発展することがあります。
ケース③ 家族が遺言書の存在を知らなかった
遺言書があっても、
- 家族が存在を知らない
- 見つけられない
- 内容を誤解している
といった状況では、相続手続きが混乱してしまいます。
特に自筆証書遺言の場合、見つからなければ、無いのと同じ扱いになってしまうこともあります。
ケース④ 遺言書の内容が古いままになっている
遺言書を作った後に、
- 家族構成が変わった
- 財産内容が変わった
- 気持ちが変わった
にもかかわらず、内容を見直していないケースです。
現在の状況と合わない遺言書は、かえって相続人の不信感を招く原因になります。
ケース⑤ 遺言書の形式や手続きに問題がある
- 自筆証書遺言の方式を満たしていない
- 日付や署名が不十分
- 法的に無効と判断される可能性がある
このような場合、遺言書自体が無効となり、結局、法定相続で話し合うことになるケースもあります。
相続でもめないために大切なこと
遺言書で相続トラブルを防ぐためには、
- 内容を明確に書く
- 家族構成や遺留分を考慮する
- 定期的に内容を見直す
- 必要に応じて専門家に確認する
ことが大切です。
特に、公正証書遺言は、形式不備や解釈の問題が起きにくく、安心感の高い方法といえます。
「うちは大丈夫」と思っている方へ
相続トラブルは、「仲の良い家族ほど起きない」と思われがちですが、実際には普通のご家庭で起きることがほとんどです。
遺言書が原因で家族関係が悪くなってしまっては、本来の目的とは逆になってしまいます。
まとめ|遺言書は内容と準備が重要です
遺言書は、正しく作成・管理すれば、相続トラブルを防ぐ強力な手段になります。
しかし、
- 曖昧な内容
- 配慮の足りない分け方
- 見直し不足
があると、遺言書があっても相続でもめる原因になってしまいます。
遺言書の内容について、
「この書き方で本当に大丈夫だろうか」
「家族がもめない内容になっているか確認したい」
と感じた方は、専門家に一度相談してみることをおすすめします。
当事務所では、山形を中心に、相続・遺言に関するご相談をお受けしています。
ご事情を丁寧にお伺いし、状況に合ったご提案をいたします。

