東京都でキャバクラ、スナック、ホストクラブなどの風俗営業を始める場合、「どこの警察署に申請すればいいの?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。
風俗営業許可は、単に自分が住んでいる場所や会社の所在地を基準に申請するものではありません。
基本的には、営業を行う店舗の所在地を管轄する警察署が申請先になります。
この記事では、東京都で風俗営業許可を申請する場合の申請先や、管轄警察署を確認するときのポイントについて、行政書士が分かりやすく解説します。
風俗営業許可の申請先は「営業所を管轄する警察署」
東京都公安委員会の審査基準では、風俗営業の許可申請の申請先について、
「営業所を管轄する警察署の生活安全課」
とされています。
つまり、これから営業する店舗の所在地によって、申請先となる警察署が決まります。
例えば、東京都内で店舗を開業する場合でも、店舗の所在地によって管轄する警察署は異なります。
警視庁では東京都内の警察署を一覧で確認できるページを公開しています。
自分の住所を管轄する警察署ではないので注意
風俗営業許可で特に注意したいのが、申請者の住所と店舗の所在地は別に考える必要があるという点です。
例えば、
- 申請者の住所は新宿区
- 会社の本店所在地は千代田区
- 実際の店舗は渋谷区
という場合、風俗営業許可の申請先を考えるうえでは、基本的に営業所である店舗の所在地が重要になります。
そのため、物件が決まったら、まず店舗所在地を基準に管轄警察署を確認することが大切です。
東京都には多くの警察署がある
東京都内には、麴町警察署、丸の内警察署、中央警察署、渋谷警察署、新宿警察署、池袋警察署、上野警察署など、多数の警察署があります。
また、同じ区内であっても、地域によって管轄する警察署が異なる場合があります。
そのため、
「この区ならこの警察署だろう」
と住所だけで判断せず、実際の所在地から管轄を確認することをおすすめします。
警視庁の「警察署一覧」では、警察署を名前や所在地などから確認できます。
申請するのは「警察署」でも、許可をするのは公安委員会
ここは少し分かりにくいところです。
風俗営業許可は、正確には東京都公安委員会の許可です。
一方、申請の窓口は営業所を管轄する警察署の生活安全課とされています。
そのため、
「警察署から風俗営業許可をもらう」
というより、
「東京都公安委員会の許可を受けるため、管轄警察署へ申請する」
と考えると分かりやすいでしょう。
当事務所のホームページでも、この点は正確に区別してご案内しています。
申請先を確認する前に、店舗の住所を確定させる
風俗営業許可では、営業所の所在地が非常に重要です。
これは単に申請先の警察署を決めるためだけではありません。
風俗営業許可では、営業所の場所について東京都の条例による規制があり、さらに周辺の学校、病院、図書館、児童福祉施設などとの位置関係が問題になる場合があります。
また、店舗の構造・設備についても技術上の基準が定められています。
警視庁も、営業所が東京都の条例で定める地域内にある場合や、営業所の構造・設備が基準に適合しない場合などは、許可を受けられないケースとして案内しています。
そのため、風俗営業許可では、
「どこの警察署に申請するか」
だけを考えるのではなく、
「その店舗でそもそも風俗営業ができるのか」
を先に確認することが重要です。
物件契約前に管轄警察署を確認しておく
これから店舗を借りる場合は、物件契約をしてから警察署を調べるのではなく、できれば契約前の段階で確認しておきましょう。
特に風俗営業許可では、
- 営業所の所在地
- 用途地域
- 周辺の保護対象施設
- 営業所の構造・設備
- 賃貸借契約上の使用条件
- 実際の営業方法
など、複数の条件を確認する必要があります。
不動産会社から「風俗営業可能です」と説明を受けた場合でも、それだけで許可が確実に取得できるとは限りません。
最終的には、風営法や東京都の条例などを踏まえて、個別に確認する必要があります。
管轄警察署に相談するときに準備しておきたい情報
警察署へ相談する場合には、店舗についてある程度具体的な情報を用意しておくとスムーズです。
例えば、次のような情報です。
店舗の住所
まずは営業予定地の正確な住所を確認します。
建物名や階数なども分かっていれば、併せて整理しておくとよいでしょう。
店舗の図面
店舗の平面図がある場合は、相談時に確認できるよう準備しておきます。
風俗営業許可では、営業所の構造・設備が重要になるためです。
営業内容
「スナックをやりたい」というだけではなく、
- 従業者が客に接待をするのか
- カウンター越しの営業なのか
- 客室を設けるのか
- 酒類を提供するのか
- 深夜に営業するのか
- カラオケなどを使用するのか
など、実際の営業方法を整理しておくことが大切です。
風俗営業に該当するかどうかは、営業形態や接客方法などによって判断が変わるためです。
警視庁では、風俗営業として1号営業から5号営業まで、それぞれ営業内容に応じた区分を案内しています。
賃貸借契約書など
すでに物件を契約している場合は、賃貸借契約書など、店舗を使用する権利関係が分かる資料も確認しておきます。
風俗営業許可の申請では、営業所の使用権原を確認するための書類も必要になります。
申請してからすぐに許可が出るわけではない
風俗営業許可は、書類を提出すればすぐに許可されるというものではありません。
東京都公安委員会の現在の審査基準では、処理期間について、
「55日以内を目安」
とされています。
ただし、申請時期などによって処理期間は変動し、個別具体的な処理が必要であるため、必ず55日で許可されるという意味ではありません。
また、この期間には行政庁の休日は含まれません。
そのため、開業日が決まっている場合は、内装工事や営業開始の予定だけでなく、許可申請に必要な準備期間も含めてスケジュールを考える必要があります。
「警察署を調べる」だけでは風俗営業許可の準備としては不十分
ここまで説明したとおり、管轄警察署を確認することは重要です。
しかし、風俗営業許可では、
管轄警察署を調べる → 申請する
という単純な流れではありません。
実際には、
- 営業内容を確認する
- 物件の所在地を確認する
- 用途地域などを確認する
- 周辺施設を確認する
- 店舗の構造・設備を確認する
- 使用権原を確認する
- 必要書類を準備する
- 管轄警察署へ申請する
- 店舗の実地調査などを受ける
- 審査を経て許可を受ける
というように、複数の確認事項があります。
だからこそ、物件を契約する前から風俗営業許可を意識して準備することが重要です。
東京都で風俗営業許可を検討している方へ
「この物件で風俗営業許可を取れるのか?」
「どこの警察署に相談すればいいのか?」
「スナックやバーとして営業したいが、風営法の許可が必要なのか?」
このような疑問がある場合は、営業内容や物件の所在地が分かる段階で一度確認しておくと安心です。
当事務所では、東京都内の風俗営業許可について、営業内容の確認、物件の確認、必要書類の準備、管轄警察署への申請などをサポートしています。
特に、これから物件を契約する段階でのご相談にも対応しています。
風俗営業許可は、契約や内装工事を進めてから問題が判明すると、予定していた店舗で営業できなくなる可能性があります。
「これから店舗を借りるので、先に確認しておきたい」という方も、お気軽にご相談ください。
この記事のポイント
- 風俗営業許可の申請先は、営業所を管轄する警察署の生活安全課
- 許可をするのは東京都公安委員会
- 申請者の住所ではなく、基本的に営業所の所在地を基準に考える
- 警察署だけでなく、営業できる場所かどうかの確認も重要
- 物件契約前に所在地・用途地域・周辺施設・構造などを確認する
- 東京都公安委員会の現在の審査基準では、処理期間は55日以内が目安
- 開業日から逆算して早めに準備することが重要

