「風俗営業許可は自分で申請できるの?」
「行政書士に頼むと、何をやってもらえるの?」
「できるだけ費用を抑えたいけれど、失敗するのも不安……」
東京都でスナックやキャバクラ、接待を伴う飲食店などの開業を考えている方から、このような疑問を持たれることがあります。
風俗営業許可の申請では、申請書だけでなく、営業の方法を記載した書類、営業所の使用権原を証明する書類、営業所の平面図、営業所周囲の略図、申請者や管理者に関する書類など、複数の書類を準備する必要があります。
また、営業所の場所や構造・設備なども許可の重要なポイントになります。
この記事では、東京都で風俗営業許可を取得する場合に、自分で申請する場合と行政書士に依頼する場合の違いについて、わかりやすく解説します。
風俗営業許可は自分で申請できる?
風俗営業許可の申請について、行政書士への依頼が必須というわけではありません。
必要な書類を準備し、営業所を管轄する警察署の生活安全課へ申請することになります。
東京都の場合、許可の原権者は東京都公安委員会で、申請先は営業所を管轄する警察署の生活安全課とされています。
警視庁では、風俗営業の許可申請書や記載例なども公開されています。
そのため、
「自分で調べながら申請に挑戦したい」
という方もいるでしょう。
一方で、風俗営業許可は単純に申請書を書いて提出すればよい手続きではありません。
営業所の場所、店舗の構造・設備、営業方法、使用権原、申請者や管理者など、複数の条件を確認する必要があります。
風俗営業許可の申請で確認すること
警視庁が案内している主な必要書類には、次のようなものがあります。
- 許可申請書
- 営業の方法を記載した書類
- 営業所の使用権原を証明する書類
- 営業所の平面図
- 営業所の周囲の略図
- 申請者に関する書類
- 管理者に関する書類
法人の場合には、定款や登記事項証明書、役員に関する書類なども必要になります。管理者についても、住民票、身分証明書、誓約書、写真などの書類が必要です。
つまり、申請者自身で手続きをする場合でも、「書類を集めるだけ」ではなく、営業内容や店舗が風営法上の基準を満たしているかを事前に確認することが重要です。
自分で申請するメリット
行政書士報酬を抑えられる
自分で申請する大きなメリットは、行政書士に依頼する場合の報酬を抑えられることです。
ただし、自分で申請する場合でも、証明書の取得費用や申請に必要な費用など、一定の実費が発生することがあります。
「自分でやれば完全に無料」というわけではありません。
手続きの内容を自分で理解できる
自分で申請することで、
- どのような書類が必要なのか
- 店舗のどこを確認されるのか
- 営業方法について何を説明するのか
といった手続きを自分自身で理解できます。
開業後も風営法を意識して営業したい方にとっては、申請手続きを自分で経験することが勉強になる場合もあります。
自分で申請するデメリット
一方で、自分で申請する場合には注意したい点があります。
物件や内装の確認を自分で行う必要がある
風俗営業許可では、申請書類だけでなく営業所そのものが重要です。
警視庁では、営業所の構造・設備が風俗営業の種別に応じた技術上の基準に適合しない場合や、東京都の条例で定める地域内に営業所がある場合など、許可を受けられないケースを案内しています。
そのため、
「申請書を作ってから考えればいい」
という進め方はおすすめできません。
特に、店舗を契約する前や内装工事を始める前に、風営法上の問題がないかを確認しておくことが重要です。
図面の作成・確認が必要になる
風俗営業許可では、営業所の平面図や周囲の略図が必要になります。
店舗の図面については、
- 客室の位置
- 客室の広さ
- 壁や仕切り
- 出入口
- カウンター
- 照明設備
- その他の設備
など、営業形態に応じて確認するポイントがあります。
特に内装工事を先に進めてしまうと、後から修正が必要になる可能性があります。
書類の不備を自分で確認しなければならない
風俗営業許可では、申請者が個人か法人かによって必要書類が変わります。
また、管理者についても別途書類が必要です。
「住民票は取ったけれど、本籍の記載が必要だった」
「法人の役員関係の書類が足りなかった」
といったことが起こると、準備に時間がかかります。
開業日が決まっている場合には、こうした書類準備の遅れがスケジュールにも影響します。
申請前の確認に時間がかかる
風俗営業許可は、営業所の場所や構造、営業方法などを総合的に確認する必要があります。
さらに、東京都公安委員会の審査基準では、風俗営業許可について「55日以内を目安」とされています。ただし、これは一律に55日で許可が下りるという意味ではなく、申請時期などによって処理期間が変動することも明記されています。
自分で一つ一つ調べながら進める場合は、申請前の確認にも相応の時間が必要になります。
行政書士に依頼するメリット
では、行政書士に依頼すると何が違うのでしょうか。
日本行政書士会連合会では、行政書士の業務として、官公署に提出する書類の作成、その提出手続の代理、許認可に関する相談などを案内しています。
また、飲食・風俗営業についても、事前調査や確認、書類作成、申請代行などを行政書士が行う業務として紹介されています。
申請前の段階から相談できる
行政書士に依頼するメリットの一つは、申請書を書き始める前の段階から相談できることです。
例えば、
「この物件で営業できるのか?」
「この営業方法は風俗営業に該当するのか?」
「この内装で問題ないのか?」
「この店舗を契約して大丈夫なのか?」
といった点を、開業準備の早い段階で確認することができます。
特に風俗営業許可では、物件契約や内装工事を始める前の確認が重要です。
必要書類を整理して準備できる
風俗営業許可では、申請者本人だけでなく、法人の役員や管理者についても書類が必要になる場合があります。
行政書士に依頼すれば、必要書類を整理し、
「誰が、どの書類を、いつまでに準備するのか」
という形で進めやすくなります。
店舗の図面や営業方法を確認してもらえる
風俗営業許可では、営業所の平面図や営業の方法を記載した書類などが必要です。
行政書士に依頼する場合は、こうした書類について、営業内容との整合性を確認しながら準備していくことができます。
単に書類を作成するだけではなく、
「実際に予定している営業内容と、申請内容が一致しているか」
を確認することが重要です。
行政書士に依頼するデメリット
もちろん、行政書士に依頼すればすべての負担がなくなるわけではありません。
行政書士報酬が必要になる
当然ですが、行政書士に依頼する場合には報酬が発生します。
報酬額は行政書士事務所や依頼内容、店舗の規模・複雑さなどによって異なります。
そのため、依頼する場合は、
- どこまで対応してもらえるのか
- 図面作成が含まれるのか
- 警察署とのやり取りをどこまで任せられるのか
- 追加料金が発生するケースは何か
などを事前に確認しておくと安心です。
依頼しても許可が保証されるわけではない
ここは非常に重要です。
行政書士に依頼したからといって、風俗営業許可が必ず取得できるわけではありません。
営業所の場所や構造・設備、申請者や管理者などについて、法律や条例上の要件を満たす必要があります。
警視庁も、営業所の構造・設備が基準に適合しない場合や、東京都の条例で定める地域にある場合などを許可を受けられないケースとして案内しています。
行政書士の役割は、許可を保証することではなく、許可を受けるために必要な確認や書類作成、申請手続きを適切に進めることです。
こんな方は行政書士への相談がおすすめ
次のような場合には、早めに行政書士へ相談することをおすすめします。
物件をこれから契約する方
まだ物件を契約していない場合は、契約前に相談することが重要です。
風営法上の確認をせずに契約してしまうと、後から営業できないことが分かる可能性があります。
内装工事をこれから始める方
内装工事前の相談も重要です。
風俗営業では、構造・設備について一定の基準があり、許可取得後についても、変更内容によっては公安委員会の承認や届出が必要になります。
「とりあえず工事して、後から許可を取る」という進め方は避けたほうがよいでしょう。
開業日が決まっている方
開業日が決まっている場合は、逆算して準備する必要があります。
東京都の風俗営業許可は55日以内が一つの目安とされていますが、55日で必ず許可されるという意味ではありません。
そのため、
物件確認 → 営業内容確認 → 図面・書類準備 → 申請 → 審査 → 許可
という流れを考え、余裕を持って準備することが大切です。
そもそも何の許可・届出が必要なのか分からない方
「バーだから深夜酒類提供飲食店営業」
「ガールズバーだから風俗営業」
というように、店名だけで判断することはできません。
実際の接客方法や営業時間、営業形態などによって必要な手続きが変わることがあります。
そのため、
「この営業方法で何の許可・届出が必要なのか分からない」
という段階で相談するのも一つの方法です。
自分で申請するか、行政書士に依頼するか
どちらが正解というわけではありません。
例えば、次のように考えると分かりやすいでしょう。
| 状況 | 向いている方法 |
|---|---|
| 自分で時間をかけて調べられる | 自分で申請を検討 |
| 風営法について詳しく調べる時間がある | 自分で申請を検討 |
| 初めて店舗を開業する | 行政書士への相談を検討 |
| 物件契約前に確認したい | 行政書士への相談を検討 |
| 内装工事前に確認したい | 行政書士への相談を検討 |
| 開業日が決まっている | 行政書士への相談を検討 |
| 図面や書類作成に不安がある | 行政書士への依頼を検討 |
| 本業が忙しく、手続きを任せたい | 行政書士への依頼を検討 |
大切なのは、「行政書士に頼むかどうか」よりも、物件契約や工事を進める前に、風営法上の問題を確認することです。
まとめ|迷ったら「申請前」よりさらに前に相談する
東京都の風俗営業許可は、申請書を提出するだけの手続きではありません。
営業所の場所、店舗の構造・設備、営業方法、使用権原、申請者、管理者など、さまざまな事項を確認する必要があります。
そのため、
「自分で申請するか行政書士に依頼するか」
を考えるときは、単純な費用だけで判断するのではなく、
「開業準備にどれだけ時間を使えるか」
「物件や内装について自分で確認できるか」
「書類作成や警察署とのやり取りに不安がないか」
といった点も考えることが大切です。
特におすすめなのは、物件を契約する前、そして内装工事を始める前に相談することです。
当事務所では、東京都内で風俗営業許可を検討されている方について、営業内容の確認、物件・店舗の確認、必要書類の整理、申請手続きなどをサポートしています。
「この物件で営業できるか確認したい」
「この営業方法で風俗営業許可が必要なのか知りたい」
「自分で申請するか、行政書士に依頼するか迷っている」
という段階でも、お気軽にご相談ください。
