「風俗営業許可を取得したら、許可証はどこに置いておけばいい?」
「事務所に保管しておけば大丈夫?」
「ホームページに許可証を載せておけばいい?」
東京都で風俗営業を始める方から、このような疑問を持たれることがあります。
風俗営業の許可を取得した後は、許可を取ったことだけでなく、営業開始後に守るべきルールにも注意が必要です。
その一つが、風俗営業の許可証等の掲示です。
風営適正化法では、許可証等を営業所の見やすい場所に掲示することが求められています。
この記事では、東京都で風俗営業を営む方が知っておきたい、許可証の掲示義務について分かりやすく解説します。
風俗営業許可証は営業所に掲示する必要がある
風俗営業の許可を取得した場合、許可証は単に店舗の書類として保管しておけばよいわけではありません。
警察庁の通達では、風俗営業者等について、許可証等を営業所の見やすい場所に掲示する必要があることが示されています。
つまり、
「許可証は自宅の金庫に保管している」
「店舗ではなく会社の事務所に置いている」
というだけでは、掲示義務を満たしたことにはなりません。
営業所で、必要な許可証等を確認できる状態にしておくことが重要です。
「ホームページに載せればいい」わけではない
最近では、会社や店舗のホームページに許可証の画像を掲載することも考えられます。
しかし、ホームページに掲載したからといって、営業所での掲示が不要になるわけではありません。
警察庁も、許可証の画像や記載事項をインターネット上に掲載することは可能としつつ、実際に営業所の見やすい場所へ掲示していなければ、法令上の掲示義務を果たしたことにはならないと明確にしています。
そのため、
店舗への掲示 + 必要に応じてホームページへの掲載
というように考えると分かりやすいでしょう。
「見やすい場所」とは?
法律上は「営業所の見やすい場所」に掲示することが求められています。
ただし、
「入口から何メートル以内」
「壁の高さは何センチ」
など、すべての店舗について一律の具体的な場所が示されているわけではありません。
そのため、営業所内で確認しやすい場所に掲示しておくことが重要です。
例えば、
- 店舗のバックヤードの奥
- 鍵のかかった棚の中
- 店舗とは別の事務所
など、一般的に確認しにくい場所へ保管するのではなく、営業所内の適切な場所に掲示することを意識しましょう。
実際の店舗でどこに掲示するのが適切かについて迷う場合は、管轄警察署への確認も検討すると安心です。
許可証は「飾っておけばいい」だけではない
許可証の掲示については、
「壁に貼っておけば終わり」
と考えがちです。
しかし、営業を続けていると、許可証の記載内容に変更が生じることがあります。
例えば、
- 営業所の名称を変更した
- 営業者の氏名・名称に変更があった
- その他、許可証の記載内容に変更があった
といったケースです。
このような場合には、変更内容に応じて許可証の書換えなどの手続きが必要になります。
警視庁では、許可証の記載内容を変更した場合の「許可証書換え申請書」を案内しています。
そのため、古い許可証をそのまま掲示し続けるのではなく、変更があった場合には必要な手続きを確認することが大切です。
許可証をなくした場合にも注意
許可証を店舗に掲示していると、
「改装のときにどこかへ移した」
「引っ越しの際に紛失した」
「古い書類と一緒に処分してしまった」
といったことが起こる可能性があります。
風営適正化法では、許可証の亡失・滅失についても届出義務が定められています。
警視庁が公開している処分基準でも、許可証の亡失・滅失届出義務違反や許可証等の掲示義務違反が処分事由として挙げられています。
許可証は重要な書類なので、紛失しないよう管理しておきましょう。
許可証の掲示だけでなく、営業開始後のルールにも注意
風俗営業許可を取得すると、
「許可が取れたから、あとは普通に営業すればいい」
と思ってしまう方もいるかもしれません。
しかし、風俗営業については営業開始後にもさまざまなルールがあります。
例えば、
- 許可証等の掲示
- 管理者の選任
- 営業所の構造・設備の維持
- 営業時間に関する規制
- 照度に関する規制
- 騒音・振動に関する規制
- 変更があった場合の届出
- 必要な場合の構造・設備の変更承認
などです。
警視庁の処分基準にも、これらの義務に違反した場合の処分事由が整理されています。
つまり、風俗営業許可は、
「取得するまで」だけでなく「取得した後」もルールを守ることが重要
です。
店舗を改装するときは許可証の管理にも注意
店舗の改装を行う場合には、許可証の掲示場所にも注意しましょう。
例えば、
「壁を工事するので許可証を外した」
「店舗を一時的に片付けて許可証を別の場所に移した」
ということもあるでしょう。
改装後は、許可証を適切な場所へ戻すことを忘れないようにしましょう。
また、改装の内容によっては、許可証の掲示だけではなく、風俗営業の構造・設備について別の手続きが必要になる場合があります。
警視庁では、客室の位置・数・床面積の変更や、壁・ふすまなど内部を仕切る設備の変更などについて、軽微な変更を除き、あらかじめ公安委員会の承認を受ける必要があると案内しています。
「単なる内装工事だから問題ない」と考えず、工事前に確認することが大切です。
店舗移転の場合はさらに注意
風俗営業では、営業所の場所そのものが重要です。
そのため、
「今の店舗から別の店舗へ移転する」
という場合には、単純に住所変更の届出だけで済むとは限りません。
風俗営業許可は営業所について与えられるものなので、移転を検討している場合は、新しい物件について改めて風営法上の確認が必要になる可能性があります。
特に、
- 新しい物件の所在地
- 用途地域
- 保護対象施設との距離
- 店舗の構造・設備
- 使用権原
- 営業方法
などを確認する必要があります。
そのため、店舗移転を考えている場合は、物件を契約する前に相談することをおすすめします。
許可証を掲示するときのチェックポイント
営業開始後は、次の点を確認しておくとよいでしょう。
許可証を営業所に掲示しているか
まずは、許可証が営業所に適切に掲示されているか確認しましょう。
見やすい場所にあるか
単に営業所内に置いてあるだけではなく、確認しやすい場所に掲示されているか確認しましょう。
許可証の内容が現在の営業状況と一致しているか
店名や営業者などに変更があった場合には、必要な変更手続きが済んでいるか確認しましょう。
許可証を紛失していないか
改装や店舗の整理などで、許可証をどこかへ移していないか確認しましょう。
店舗を改装する場合は事前確認しているか
客室や壁、仕切りなどを変更する場合には、工事前に必要な手続きを確認しましょう。
風俗営業許可を取得した後も行政書士に相談できる
行政書士への相談というと、
「許可を取るまで」
というイメージがあるかもしれません。
しかし、実際には許可取得後にも、
「店名を変えたい」
「管理者が退職した」
「店舗を改装したい」
「別の物件へ移転したい」
「許可証をなくしてしまった」
など、さまざまな問題が発生することがあります。
変更内容によっては、変更届、許可証の書換え、構造・設備の変更承認など、異なる手続きが必要になります。警視庁でも、それぞれの手続きについて様式を分けて案内しています。
そのため、
「変更してから手続きを調べる」のではなく、「変更する前に確認する」
ことをおすすめします。
まとめ|風俗営業許可は取得後の管理も重要
東京都で風俗営業許可を取得した場合、許可を取得して終わりではありません。
許可証等は営業所の見やすい場所に掲示する必要があり、ホームページに掲載するだけでは掲示義務を満たしたことにはなりません。
また、営業を続けていると、
- 店名を変更する
- 管理者を変更する
- 法人の役員を変更する
- 店舗を改装する
- 店舗を移転する
など、さまざまな変更が発生することがあります。
変更内容によっては、変更届や許可証の書換え、構造・設備の変更承認などが必要になるため、変更前に確認することが大切です。
当事務所では、東京都内の風俗営業許可について、申請手続きだけでなく、許可取得後の変更手続きについてもご相談いただけます。
「許可証はどこに掲示すればいい?」
「店名を変更したいけれど手続きが必要?」
「店舗を改装したいけれど、警察への届出は必要?」
といった場合も、お気軽にご相談ください。

